2019年 03月 28日
「やり過ぎ」にも限度がある(あと日本の財政について) |
【3/29(金)の易の言葉】は【大過・タイカ】です。
日常的なことや慣れたことや簡単なことには、過ちを犯しがちです。
何事も【軽く見ずに慎重さを失わない】ことが大事です。
そのような気持ちがないと、いつか深い川を歩いて渡ろうとすることになり、結局は失敗します。
【解説】
昨日は、「やり過ぎ」の全てが失敗というわけではなく、「早死にしてもいいから酒を飲む」という人が、実際その通りに早死にしてもそれは失敗ではない、と解説しました。
しかし、もちろん「やり過ぎ」にも必ず失敗になる限度というものがあり、この限度を決める境界線はリスクの受け入れにあります。
例えば借金です。
ちょっと背伸びした買い物をして、借金をしたとしましょう。
この場合に「ちょっと高いけどなんとかなりそう」と思って、その少しやり過ぎな借金をしたとします。
しかし、少し高いというリスクを受け入れて借金をしても、これはリスクをすべて受け入れているわけではありません。
なぜなら、利子は変動するからです。
今は低金利なので、かなり利子は安いですが、インフレで物価が上がるようになれば、いつの間にか利子が10倍になり、とても払いきれなくなる可能性もあります。
今の日本がここを低金利でごまかしている状況ですが、最悪のリスクを検討しない「やり過ぎ」は、取り返しのつかない本当の失敗になってしまいます。
以下少し難しい話、日本の借金とアベノミクスについて
まず、そもそもアベノミクスは「異次元の金融緩和」つまり「やり過ぎの金融緩和」ということを売りに行われてきたものです。
ここで、金融緩和とは、簡単に言えば、「その仲良しグループのおはじきの数それ自体を増やせば、おはじき遊びが活発になるだろう」という考え方の経済政策です。あるいはカードゲームで、「そのグループのカードの量それ自体を増やせば、カードゲームが活発になるだろう」でも同じです。おはじき遊びもカードゲームも、おはじきそれ自体、カードそれ自体がなければ活発になることはありません。この考え方で、「日本で流通するお金それ自体を増やせば、経済も活発になるだろう」というのが金融緩和です。
しかし、おはじきもカードゲームも、飽きてしまったら誰もやらなくなってしまうものです。経済も同じです。いくら流通するお金が増えたとろで、経済活動それ自体が活発になるとは限りません。しかし、「いや活発になる、株価も上がっているではないか」と、それをごり押ししているのが現在の日銀と、その後ろ立てである安倍政権です。
この流通するお金を増やすことの副作用で、利子が下がります。利子が下がる仕組み自体は難しいのですが、「ゼロ金利政策」という言葉を聞いたことがあると思います。まさにこれがアベノミクスのもう一つの、いや裏の利点なのです。
というのも、政権の放漫財政を許すことになるからです。
そこでまず現状確認ですが、今年の予算は過去最高の100兆円超となっています。防衛省も既にアメリカに支払うべき防衛費が払えなくなり、国内企業に「借金待ってください」と頭を下げました。これは普通に考えたらどうしようもなく恥ずかしいことです。また、日本の借金の総額は、ついに1100兆円を越えました。これは日本人一人当たりに換算すると、約900万円の借金です。
ここで、もう一度、最初の「やり過ぎの限度」の例え話を思い出してみてください。今まさに日本は、自分で利子の安い状況を作り出しながら「ちょっと背伸びの買い物だけど、なんとかなる」と放漫財政をしていることになります。
しかし、この上で、もしインフレ傾向が現れたらどうなるでしょうか。まず、利子が上がります。日本の財務状況は、ゼロ金利(利子がほぼゼロの状態)でも借金が増え続け、しかも「借金待ってください」という状況なのに、この上で利子が上がったら、どうなってしまうのでしょうか。払いきれなくなって破綻してしまうのではないでしょうか。
このような「最悪のリスク」を検討せず、しかも、開き直って「やり過ぎ」の借金を続けているのが今の日本です。
こと「経済」ということになると、今ここに書いたような単純な仕組みを越えて、「他の作用があってうまくいく」という批判もあるかもしれません。
しかし、事実だけを見て、しっかりと受けて止めていただきたいのです。
日本の国債残高、つまり借金残高は増え続け、「借金待ってください」と頭を下げなければならない状況なのに、今が「ゼロ金利」で一番有利な時なのです。少しでも金利が上がれば、不利になるばかりで、見えるのは破綻への道筋だけ、これが日本の財政の事実であり全てなのです。
次に、破綻したらどうなるかですが、まず間違いないのは大増税です。というか、大増税を越えて、それは財産没収と言ったほうが適切でしょう。もちろん、海外に逃げることのできる金持ちは逃げるでしょう。また、いくら治安のいい日本でも、必ず混乱は起きるでしょう。割を食うのは間違いなくわれわれ庶民です。
私は心配を煽りたいのではありません。ただ、これを読んでくださった方に、「経済は難しいから」「国政は自分に関係ないから」という思い込みを捨てて、自分でも考えていただきたいだけです。
by ekitoday
| 2019-03-28 23:16
| 今日の易の言葉