2019年 10月 07日
占いとは頼ってはならないもの |
【10/8(火)の易の言葉】は【頤・イ】です。
何かのご縁で、人から養われたり、人から世話してもらうことは決して悪いことではありません。
しかし、過剰ならおねだりとなり、粗雑なら養ってくれている人の評判を下げてしまうことになります。
【養われる側にも気配りが大事】です。
【解説】
易経は占いにも使われますが、占いとは基本的には頼ってはならないものです。
というのも、もし仮に、占い師に「あなたは次の受験で必ず合格する」と言われたとします。
この言葉を聞いた受験者は、勉強の手を緩めてしまい、結果として受験に失敗することは目に見えています。
「占いに頼る」とは本質的にこういったことです。
未来は分かりませんし、確実なものは人事(人のする事)だけなのです。
ただもちろん不確実な要素、つまり「神仏のみぞ知る、人智の及ばないこと」はあります。
人智は及ばないので占いでもわかりませんが、これを忘れても思わぬ落とし穴に落ちます。
捕捉、初爻の「なんじの霊亀を舎て我を観ておとがいをたる、凶なり」より。自分に当てにするだけのものが他にありながら、養われようとよだれを垂れる様子。凶は失うものがある。自分のやるべきこと(人事)をやらずに、ただ一方的に頼ろうとする状況。論語には「鬼神は敬して之を遠ざく」とある。また、「数(すう)を極め来を知るこれを占と謂い、変に通ずるこれを事と謂い、陰陽測られざるこれを神と謂う」『易経・繋辞上伝』ともある。数を極め来を知る、つまり、計算できることを極限まで突き詰め、未来を予測するのが占いであり、神意を知るのが占いなのではない。このような予測を立てても変化の機はあるから、これに応じるのが事であり、さらに、それでも計り知れないこと(人智では及ばないこと)があるから、これを神と言う。易経の根本思想は神意を否定して、人事を重んずることにある。世の一般の人が考える「占い」とは似て非なるもの。神意は人に分からないから神意なのだ。
by ekitoday
| 2019-10-07 22:26
| 今日の易の言葉